たぶん..初恋...だった。
そんな怒涛の2日間から2週間近くが経って、もう四月も下旬になった頃。

この2週で変わったことと言えば、夏実ちゃんと呼んでいたのが夏実に変わって、瑠美と呼ばれるようになったこと。


‥それともう1つ。久野くんにも瑠美と呼ばれるようになった‥。


瑠美って名前可愛くね?なんていう理由で。


最近久野くんと話すたびに、胸がギュッてなって少し苦しいのは、、たぶん、、。


気づき始めてはいたけど、こんな感情抱いたこともなければ、どうしたらいいのかも分かんなくて、

気になってるのかな?って思うようにしていた‥。


そして、その日はたしか金曜日だった。

いつものようにりゅうちゃんと帰ろうと下駄箱の前で待っているところに、

久野くんがやってきた。

「瑠美!今からマック行くぞ!」
なんて強引に片手を引かれた。

「えっ、えっ!?ちょっ何言ってんの!

これからりゅうくんと帰るんだけど!?」

この頃にはもう普通に人見知りしなくても話せるようになっていた。

「いやっだから!この前瑠美にピアスとか預けて、どうにか没収されなかった時の借り!

返すって言っただろ?」

「いやいや!さすがにいきなりすぎるし、普通に忘れてたって!」

「じゃあ今思い出しから行くぞ!」

「ちょっとそれはさすがに強引すぎない!?」

と揉めているところに、

「瑠美ー!ごめん!!俺今日委員会で残らなきゃダメらしいから先帰ってて!」と都合よくりゅうちゃんがきた。


こんなタイミングある!?なんて思ってたら、

「ほんとごめんな?」と申し訳なさそうに謝ってくるもんだから

「ぜんっぜん!気にしないで!

私今日これから久野くんとマック行くことにしたから!」と明るく言った。

少しは気を楽にしてくれたらいいな、なんて思っていたのに

「‥‥え‥?」

と本気で驚いた顔をするので、逆にこっちがびっくりした。

「‥りゅうちゃ『とりあえずそういうことなんで!』

私の言葉を遮ってそのまま手を引かれて駐輪場の方へ連れていかれた。


りゅうちゃんどうしたんだろ?‥まあ大丈夫か


この時のりゅうちゃんの気持ちなんて私は知るはずもなく、そんなふうに思っていた‥。
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