おもかげの頃
「小和田 淳です」

とうとう私の前に迫っている
心臓の音が机に響いてガタガタ鳴り出してたらどうしようと訳分からない心配を人間はなぜするのか。と冷静なんだかなんなのか分からない境地に入る


「好きな教科は社会で今は新興宗教団体○○教の動向が気になります」


そこだけ鮮明に耳に入ってきた
変な人 と思った

思っただけではなく声に出てていた
前に立っていたその子は振り向いて後ろに座る私を睨んで座った

なんかすごい気まずい中、私の番なんですけど…


この時自分が何を言ったかなんて全く覚えていない
記憶に残す価値も無いものだろう

なのに
小和田くんの言ったことと睨まれたこと

今でも忘れていないなんて不思議なものだ
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