私の使命は、人々の命を守り抜くことだ
暖かい空気に、私は目を覚ました。私の顔をルナとレインが心配そうに見つめている。
「ラン…マスターが目を覚ましたぞ!」
レインがランがいる方向に顔を向けた。ランは閉じた窓から外を眺めている。ガラス越しに写るランの顔は、とても切なそうだった。
私は、さっき部屋を見渡して分かった。ここは私たちが旅をする前までいた部屋だった。
「ラン…?」
私が問いかけると、ゆっくりと私の方を向いた。
――ガブリエラ。この世界が平和になったら、またあの時のように暮らそう
――その時までさようなら…私のガブリエラ。大好きよ
ふと小さい頃の記憶が蘇った。それが誰だったのか思い出せない。
「マスター…いや、ガブリエラ。目が覚めたんだね」
ランはいつもとは違う話し方で、私に語りかけてきた。…とても懐かしい…。
「ガブリエラ…もう何日も寝込んでたから」
ランは、泣きそうな顔を見せた。それをルナが「ラン…泣かないの」とランをなぐさめていた。