私の使命は、人々の命を守り抜くことだ
コンコンコン、と私は本部長の部屋をノックし、部屋に入った。椅子に座った本部長は、私を見ると微笑む。本部長は、この対策本部の社長のような役割を担っているんだ。
「……ガブリエラ。俺が君をここに呼んだのは、とある報告をしたかったからだ」
「報告……ですか?」
「そうだ。この地上に魔界から魔物が来るようになっただろ?」
私たち、人間や動物などが暮らす世界を『地上』と言い、魔物が暮らす世界を『魔界』と言っている。
元々地上には魔物がいなかった。平和な毎日を過ごしていたんだよな。だが、ある日……魔界にいた魔物が地上にも出てくるようになって、今では私たちのような『冒険者』が出てくるようになった。
「はい」
「……魔界に通じる穴があるらしいんだ」
「穴……ですか?」
私は、その本部長の話に首を傾げた。本部長は「そうだ」と言いながら、咳払いをした。
「どうやら、この世界に妙なお城が立っていてな……ほら、その窓から見えるだろ?」
本部長は、1つの窓に指を指した。私は、窓から外を見る。その窓から遥か彼方に嫌なオーラが渦巻いたお城が見えた。
「……そのお城に穴はある。そのお城にいる魔物は、手強いらしいが……」
「……本部長。私がクローバーのメンバーを連れて退治しに行きます」
私は、本部長を見据える。本部長の顔に緊張が走ったのが分かったが、私はそれに構わずに話を続けた。
「私が元凶を倒してみせます」