堅物社長にグイグイ迫られてます
怒っているわけではないのに怒っているように見えてしまう不愛想な顔つき。それでも人に不快な感じを与えないのは整った顔立ちのおかげだと思う。

涼しげな切れ長の目にシュッとした顔。清潔感のある黒髪は少し長めのショートカットで、前髪は無造作に横に流されている。寝癖なのかたまに右側の髪の一部がピョンと横に跳ねているのが気になるけれど、打ち合わせがあったからなのか今日はキレイにセットされている。

御子紫さんはきっと世間一般的で言う『イケメン』の類に入るんだと思う。身長も百八十センチを超える長身で、モデルさんのように手足もすらりと長く伸びているし。

見た目だけなら俳優顔負けの抜群のルックスなのに御子柴さんは性格が少し残念だと私はこっそりと思っている。

表情は常に硬くて、笑ったところなんて見たことがない。話し掛けても必要以上のことはあまり話してくれないし、素っ気ない返事しかくれない。そして何より他人にも自分にも厳し過ぎる。きっと優しさとは全くの無縁の世界に生きている人なんだと思う。

せっかく見た目がいいんだからもっと親しみのある性格をしていたら御子柴さんは今よりももっとモテるはずなのにもったいない。

まぁでも御子柴さんのことだから女性にモテるモテないとかは全く気にしていないんだろうな。御子柴さんの頭の中にはきっと仕事のことしかないはずだから。
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