堅物社長にグイグイ迫られてます
とりあえず話題を変えよう。
「そういえば私、御子柴さんの設計した建物をしっかりと見たことがなかったかもしれないです」
見てみたいなぁ、と私はぽつりと呟く。
写真でなら完成したものをいくつか見たことがあるけれど、実際にこの目で見たことはまだなかったはず。すると、御子柴さんの視線が私に向けられる。
「それなら毎日見てるだろ」
「え…?」
「お前が今住んでる俺の家。あのマンションも俺が設計したんだから」
「そうだったんですか?」
あのお洒落なマンションも御子柴さんが設計したものだったんだ。
「それは知りませんでした」
「まぁ今から五年くらい前に設計したやつだからお前が俺の事務所に入る前のことだな」
御子柴さんのマンションは九階建てのいわゆるデザイナーズマンションで、ところどころに他のマンションにはないようなこだわりがあったりする。
低層マンションだけれど高級感がありエントランスは豪華ホテルのロビーのようだし、エレベーターホールへ向かう途中には吹き抜けになった中庭などがあったりして各部屋のバルコニーからも見えるようになっている。そのどれも建築家である御子柴さんのこだわりなのかもしれない。
「そういえば私、御子柴さんの設計した建物をしっかりと見たことがなかったかもしれないです」
見てみたいなぁ、と私はぽつりと呟く。
写真でなら完成したものをいくつか見たことがあるけれど、実際にこの目で見たことはまだなかったはず。すると、御子柴さんの視線が私に向けられる。
「それなら毎日見てるだろ」
「え…?」
「お前が今住んでる俺の家。あのマンションも俺が設計したんだから」
「そうだったんですか?」
あのお洒落なマンションも御子柴さんが設計したものだったんだ。
「それは知りませんでした」
「まぁ今から五年くらい前に設計したやつだからお前が俺の事務所に入る前のことだな」
御子柴さんのマンションは九階建てのいわゆるデザイナーズマンションで、ところどころに他のマンションにはないようなこだわりがあったりする。
低層マンションだけれど高級感がありエントランスは豪華ホテルのロビーのようだし、エレベーターホールへ向かう途中には吹き抜けになった中庭などがあったりして各部屋のバルコニーからも見えるようになっている。そのどれも建築家である御子柴さんのこだわりなのかもしれない。