堅物社長にグイグイ迫られてます
「どうしたら忘れられると思いますか?」
「うーん。難しいね」
佐原さんは右手を顎に添えながら考え込んでしまった。
きっと佐原さんの方が私よりもいろんな恋愛を経験していると思って相談してみたけれど、やっぱり答えを出すのは難しい質問だったらしい。けれどしばらくするとハッとなにかを思い付いたような表情になる。
「新しい恋をするのはどうかな」
「新しい恋ですか?」
「そう。誰か他の人を好きになれば、別れた彼氏のことなんか自然と思い出さなくなるよ」
そう言って笑うと、佐原さんは再び箸を手に持ち愛妻弁当を食べ始めた。
「私、俊君が初めての彼氏だったんです。絶対に運命の人だと思って、いつかはこの人と結婚するんだろうなぁって思ってたのに。どうやら私の勘違いだったみたいです」
はぁ、と深いため息がこぼれてしまう。
「七年も付き合ってお互いのことすごく分かっているつもりだったし、同棲までしていたはずなのに、浮気をされていたなんてまったく気がつきませんでした。けっこう、いや、かなり悲しくてショックが大きいんです。今はまだ新しい恋をする自信がありません」
「うーん。難しいね」
佐原さんは右手を顎に添えながら考え込んでしまった。
きっと佐原さんの方が私よりもいろんな恋愛を経験していると思って相談してみたけれど、やっぱり答えを出すのは難しい質問だったらしい。けれどしばらくするとハッとなにかを思い付いたような表情になる。
「新しい恋をするのはどうかな」
「新しい恋ですか?」
「そう。誰か他の人を好きになれば、別れた彼氏のことなんか自然と思い出さなくなるよ」
そう言って笑うと、佐原さんは再び箸を手に持ち愛妻弁当を食べ始めた。
「私、俊君が初めての彼氏だったんです。絶対に運命の人だと思って、いつかはこの人と結婚するんだろうなぁって思ってたのに。どうやら私の勘違いだったみたいです」
はぁ、と深いため息がこぼれてしまう。
「七年も付き合ってお互いのことすごく分かっているつもりだったし、同棲までしていたはずなのに、浮気をされていたなんてまったく気がつきませんでした。けっこう、いや、かなり悲しくてショックが大きいんです。今はまだ新しい恋をする自信がありません」