堅物社長にグイグイ迫られてます
「よしっ!」
気合を入れ直すため両手で頬を軽くパンとたたいた。それからチラッと店内の様子を伺うと御子柴さんはすでに扉を開けて店の外へ出ようとしているところだった。
その背中を追いかけて店の外に出るとひんやりとした風が私と御子柴さんの間を通り過ぎていく。
この時期、日差しがあれば昼間でもまだ温かいけれど、今日のように雲が多く時間帯も遅くなってくると肌寒く感じる。
「寒っ」
昼間の穏やかな気温に惑わされてしまい完全に服装を間違えてしまった。
先日、御子柴さんに購入してもらった高級ブランドのドレスの上からボレロを羽織ってはいるものの外を歩くのにこれだけだと寒い。
冷たい風が吹くたびに体がブルっと震えてしまう。
その寒さから身を守るよう両手で自分の腕をさすっていると、ふわっと何かが肩の上からかけられたのが分かった。瞬間、先ほどまでの寒さがなくなった。
「これでも着とけ」
隣に視線を向けると御子柴さんはワイシャツにネクタイ姿だ。彼が着ていた上等なスーツは今、私の肩に掛けられて寒さに震えていた体をすっぽりと覆ってくれている。
気合を入れ直すため両手で頬を軽くパンとたたいた。それからチラッと店内の様子を伺うと御子柴さんはすでに扉を開けて店の外へ出ようとしているところだった。
その背中を追いかけて店の外に出るとひんやりとした風が私と御子柴さんの間を通り過ぎていく。
この時期、日差しがあれば昼間でもまだ温かいけれど、今日のように雲が多く時間帯も遅くなってくると肌寒く感じる。
「寒っ」
昼間の穏やかな気温に惑わされてしまい完全に服装を間違えてしまった。
先日、御子柴さんに購入してもらった高級ブランドのドレスの上からボレロを羽織ってはいるものの外を歩くのにこれだけだと寒い。
冷たい風が吹くたびに体がブルっと震えてしまう。
その寒さから身を守るよう両手で自分の腕をさすっていると、ふわっと何かが肩の上からかけられたのが分かった。瞬間、先ほどまでの寒さがなくなった。
「これでも着とけ」
隣に視線を向けると御子柴さんはワイシャツにネクタイ姿だ。彼が着ていた上等なスーツは今、私の肩に掛けられて寒さに震えていた体をすっぽりと覆ってくれている。