堅物社長にグイグイ迫られてます
*
「ねぇ。それってやっぱり浮気じゃないの?」
飲んでいたワインをテーブルに荒く置いたのは大学時代の友人の松谷汐里(まつやしおり)だ。
腰にまで届きそうなきれいな黒髪を後ろでひとつに結んだ彼女はもうすぐ結婚式を控えている。大手企業の営業部でバリバリと働きながら結婚式の準備も同時にこなす汐里はとても大変そうだけど充実していて幸せそうだ。
そんな彼女と、今日は金曜日ということもあり仕事終わりに待ち合わせをして食事に来ていた。場所はイタリアンのレストラン。サラダとパスタとピザを注文して二人で分けあって食べている。
「だから俊君は浮気なんてしないっていつも言ってるでしょ」
飲んでいたアップルジュースを先程の汐里と同じように私もテーブルへと叩きつけるように置いた。
「汐里だって俊君のことよく知ってるんだから浮気なんてするような人じゃないって分かるじゃん」
「まぁたしかにね。俊太は優しいやつだし、ちょっと気の弱いところがあるから雛子のこと裏切ったりはしないとは思うけど」
「けど?」
「人って変わるしねぇ」
そう呟いてワインを口に含んだ汐里に私は不満気にムッと唇を尖らせる。
「ねぇ。それってやっぱり浮気じゃないの?」
飲んでいたワインをテーブルに荒く置いたのは大学時代の友人の松谷汐里(まつやしおり)だ。
腰にまで届きそうなきれいな黒髪を後ろでひとつに結んだ彼女はもうすぐ結婚式を控えている。大手企業の営業部でバリバリと働きながら結婚式の準備も同時にこなす汐里はとても大変そうだけど充実していて幸せそうだ。
そんな彼女と、今日は金曜日ということもあり仕事終わりに待ち合わせをして食事に来ていた。場所はイタリアンのレストラン。サラダとパスタとピザを注文して二人で分けあって食べている。
「だから俊君は浮気なんてしないっていつも言ってるでしょ」
飲んでいたアップルジュースを先程の汐里と同じように私もテーブルへと叩きつけるように置いた。
「汐里だって俊君のことよく知ってるんだから浮気なんてするような人じゃないって分かるじゃん」
「まぁたしかにね。俊太は優しいやつだし、ちょっと気の弱いところがあるから雛子のこと裏切ったりはしないとは思うけど」
「けど?」
「人って変わるしねぇ」
そう呟いてワインを口に含んだ汐里に私は不満気にムッと唇を尖らせる。