堅物社長にグイグイ迫られてます
この会場へ来る前は俊君との再会に少し不安な気持ちを抱いていたけれど、いざ彼と対峙してみると不思議と何の感情も湧いてはこなかった。きっといつの間にか私の中で俊君はもう過去の人になっていたんだと思う。
それよりも今は御子柴さんのことで頭がいっぱいだった。
「それならなんで雛子はさっきからこんな隅っこのベンチにいるわけ?」
キレイな化粧が施された顔で汐里が怪訝な表情を浮かべている。
「雛子、私の結婚式すごく楽しみにしてくれてたはずなのになんか浮かない表情しちゃって、気になるんだけど」
「そ、そうかな」
あはは、と笑って誤魔化してみるけれど。
「なにかあったの?」
汐里が心配そうに私の顔を覗き込む。
そんな彼女に対して私は申し訳ない気持ちになってしまう。本日の主役である花嫁に気を使わせてしまうなんて私はいったい何をやっているんだろう。
こんなにおめでたい場で私なんかの身の上話をするのもどうかと思ったけれど、でも誰かに今の胸の内を聞いてほしかった。
「実は、御子柴さんから告白をされまして……」
ぼそっと小さな声でそう告げると、
「えええええええっ!?」
汐里の大きな叫び声が返ってくる。
その声を聞いた会場中の人たちの視線が何事かと私たちへと向けられる。けれど、何もないと分かるとその視線はすぐにまたどこかへ散っていった。
それよりも今は御子柴さんのことで頭がいっぱいだった。
「それならなんで雛子はさっきからこんな隅っこのベンチにいるわけ?」
キレイな化粧が施された顔で汐里が怪訝な表情を浮かべている。
「雛子、私の結婚式すごく楽しみにしてくれてたはずなのになんか浮かない表情しちゃって、気になるんだけど」
「そ、そうかな」
あはは、と笑って誤魔化してみるけれど。
「なにかあったの?」
汐里が心配そうに私の顔を覗き込む。
そんな彼女に対して私は申し訳ない気持ちになってしまう。本日の主役である花嫁に気を使わせてしまうなんて私はいったい何をやっているんだろう。
こんなにおめでたい場で私なんかの身の上話をするのもどうかと思ったけれど、でも誰かに今の胸の内を聞いてほしかった。
「実は、御子柴さんから告白をされまして……」
ぼそっと小さな声でそう告げると、
「えええええええっ!?」
汐里の大きな叫び声が返ってくる。
その声を聞いた会場中の人たちの視線が何事かと私たちへと向けられる。けれど、何もないと分かるとその視線はすぐにまたどこかへ散っていった。