堅物社長にグイグイ迫られてます
*
「それでその絆創膏か」
その日の夜、二次会を終えてから帰宅すると御子柴さんがダイニングテーブルに図面を広げて仕事をしていた。
私のおでこに貼られた絆創膏を見ると「どうしたんだそれ?」と心配そうな表情を向けてくれたけれど、
「なんかお前らしくて笑えてくるな」
傷の理由を話すと彼にしては珍しく声を上げて笑い出した。
「ちょっと御子柴さん。そんなに笑わないでくださいよ。痛いんですからおでこ」
「すまんすまん」
そう謝りながらも御子柴さんは必死に笑いをこらえている。その姿に私はムッと唇を尖らせた。
結局、ブーケトスではあと少しのところで取ることができなかった。というのも、後ろに立っていた女性に思い切り背中を押されて私はバランスを崩してそのまま顔から地面に倒れてしまった。
そのせいでおでこをすりむき、鼻の頭もぶつけてしまうという散々な目に合ってしまった。
そんな私をすごく心配してくれた汐里にあとから教えてもらったところ、私を押した女性は汐里の職場の先輩らしい。どうやら最近、婚活に力を入れているらしく幸せの象徴であるブーケがどうしても欲しかったそうだ。
私を押したのは悪気があったわけではなくて、なんとしてでもブーケを取ろうとする必死さから前にいる私を押してしまったらしい。
その女性もあとですごく申し訳なさそうに謝ってくれたし、せっかくの汐里の結婚式で揉め事を起こすのも嫌だったので私はその謝罪を受け入れた。
「それでその絆創膏か」
その日の夜、二次会を終えてから帰宅すると御子柴さんがダイニングテーブルに図面を広げて仕事をしていた。
私のおでこに貼られた絆創膏を見ると「どうしたんだそれ?」と心配そうな表情を向けてくれたけれど、
「なんかお前らしくて笑えてくるな」
傷の理由を話すと彼にしては珍しく声を上げて笑い出した。
「ちょっと御子柴さん。そんなに笑わないでくださいよ。痛いんですからおでこ」
「すまんすまん」
そう謝りながらも御子柴さんは必死に笑いをこらえている。その姿に私はムッと唇を尖らせた。
結局、ブーケトスではあと少しのところで取ることができなかった。というのも、後ろに立っていた女性に思い切り背中を押されて私はバランスを崩してそのまま顔から地面に倒れてしまった。
そのせいでおでこをすりむき、鼻の頭もぶつけてしまうという散々な目に合ってしまった。
そんな私をすごく心配してくれた汐里にあとから教えてもらったところ、私を押した女性は汐里の職場の先輩らしい。どうやら最近、婚活に力を入れているらしく幸せの象徴であるブーケがどうしても欲しかったそうだ。
私を押したのは悪気があったわけではなくて、なんとしてでもブーケを取ろうとする必死さから前にいる私を押してしまったらしい。
その女性もあとですごく申し訳なさそうに謝ってくれたし、せっかくの汐里の結婚式で揉め事を起こすのも嫌だったので私はその謝罪を受け入れた。