堅物社長にグイグイ迫られてます
視線が自然とデスクの上に置かれた建築模型へと移動する。
紙のような材料で作られたその模型たちと同じようなものが職場にもいくつかあるし、御子柴さんが黙々と作っているところをよく目にしている。
ということはやっぱりここは御子柴さんの自宅なんだ。
そう確信できた私は慌ててベッドから飛び降りた。
「あ、あの、御子柴さん。昨日は、すみませんでした」
フローリングの床に正座をすると私は勢いよく頭を下げて謝罪の言葉を口にする。そんな私を見降ろしながら御子柴さんは深く息を吐き出すと、セミダブルのベッドの上にどっかりと腰を下ろした。
「――ったく。突然人目も憚らずに号泣したかと思えば、泣き疲れて寝るとかお前はガキか。声かけて揺らしても、頬をつねってたたいてもまったく起きやしない」
それを聞いて、思わず自分の頬に手を添える。つねられてたたかれたなんて私の頬がかわいそう。なんて自分の頬の心配をしている場合ではない。
御子紫さんは、長い足を組むと、射抜くような鋭い視線で私を見降ろす。
三年間一緒に仕事をしているから分かる。御子柴さんのこの雰囲気は、かなり怒っているときだ。
紙のような材料で作られたその模型たちと同じようなものが職場にもいくつかあるし、御子柴さんが黙々と作っているところをよく目にしている。
ということはやっぱりここは御子柴さんの自宅なんだ。
そう確信できた私は慌ててベッドから飛び降りた。
「あ、あの、御子柴さん。昨日は、すみませんでした」
フローリングの床に正座をすると私は勢いよく頭を下げて謝罪の言葉を口にする。そんな私を見降ろしながら御子柴さんは深く息を吐き出すと、セミダブルのベッドの上にどっかりと腰を下ろした。
「――ったく。突然人目も憚らずに号泣したかと思えば、泣き疲れて寝るとかお前はガキか。声かけて揺らしても、頬をつねってたたいてもまったく起きやしない」
それを聞いて、思わず自分の頬に手を添える。つねられてたたかれたなんて私の頬がかわいそう。なんて自分の頬の心配をしている場合ではない。
御子紫さんは、長い足を組むと、射抜くような鋭い視線で私を見降ろす。
三年間一緒に仕事をしているから分かる。御子柴さんのこの雰囲気は、かなり怒っているときだ。