堅物社長にグイグイ迫られてます
続いて食べた卵焼きもふっくらとしていて美味しい。パクパクと一気に食べ進めてしまった。

こんな完璧な朝食を食べるのは久しぶりかもしれない。俊君と暮らしていたときは二人とも朝が弱くてパン一枚とかコーヒーを一杯だけとか、そもそも食べないで出掛けたりとかそんな生活だったから。

御子柴さんは毎日こんなにしっかりとした朝食を自分で作って食べているのだろうか。もしそうだとしたらさすがだ。

家賃なしで住まわせてもらっているだけでもありがたいのに、こんなに美味しい朝食まで出してもらえるなんて。本当に御子柴さんには感謝しないといけない。

仕事ではさんざん怒られる日々だけどそんなことを忘れてしまうほど、今の御子柴さんは私にとって大げさだけの神様・仏さまのようにありがたい存在に思えて、ついつい拝みたくなるほどだ。

「おい、なにしてんだお前」

「あっ」

いけない。箸を持ったまま本当にすりすりと拝んでしまっていた。
< 77 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop