堅物社長にグイグイ迫られてます


「わぁ!美味しそう」

目の前に運ばれてきたBLTサンドを前に両手を合わせる。いただきまーす、とさっそく食べようと手を伸ばしたところで目の前の席に座る汐里に声を掛けられた。

「あんたねぇ、呑気にそんなもの食べてる場合じゃないでしょ」

盛大なため息をつきながら汐里が呆れたように言う。

ランチに選んだお店は駅前に新しくできたばかりのカフェ。店内は主に若い女性客で満席になっていて、お昼時は平日休日関係なく行列ができるらしい。私たちは汐里が予約をしておいてくれたおかげですんなりと入店することができた。

お店のおすすめはサンドイッチで、それだけで十種類以上のメニューがある。本当はがっつりとカツサンドを食べたいけれど今は節約の身だ。我慢して一番安いBLTサンドにしておいた。それでも五四〇円するけれど。

結婚式のためにダイエット中だという汐里も本当は私と同じくカツサンドを食べたかったらしいけれど我慢してヘルシーな野菜と卵のサンドイッチを注文した。
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