堅物社長にグイグイ迫られてます
「そういえば雛子は今どこに住んでるの？」

サンドイッチを食べ終わると汐里はデザートも追加で注文してくれた。フルーツタルトのいちごをフォークにさしたとき、ふと汐里に尋ねられた。

どう答えようか一瞬迷ったけれど、汐里に嘘をついてもきっとすぐにバレてしまいそうなので正直に答えることにする。

でもその前にフォークにささったままのいちごをパクリと食べる。甘くて美味しい。すぐに二口目を食べたいけれどその前に汐里の質問に答えないと。

「いろいろあって今は御子柴さんの家に居候させてもらってる」

「御子柴さんの？！」

すると食後のホットコーヒーを飲んでいた汐里が驚きのあまりカップから口を放す。

「どうして雛子が御子柴さんの家に住んでるわけ？」

「う、うん。それがいろいろあってね――――」

私は御子柴さんのマンションで暮らすことになった経緯を説明した。

汐里は「そうなんだ」と深く頷きながら、何かを考えるような表情を見せる。そしてしばらくすると声のボリュームを少しだけ落として口を開いた。
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