堅物社長にグイグイ迫られてます


これから婚約者の将生君と舞台を見に行く約束があるという汐里と別れたのが午後五時だった。

御子柴さんのマンションへ続く道を歩きながら、その途中でスーパーを見つけて中に入る。

朝食は御子柴さんの手作り料理をご馳走になってしまったので夕食は私が作ろうと思った。帰りが遅いと言っていたからもしかしたら外で食べてきてしまうかもしれないけど。

必要な食材を買い込みスーパーを後にする。それからさらに歩くこと二十分ほど。お洒落な外観の九階建てのマンションが見えてきた。

まるでリゾートホテルのような豪華な造りのエントランスを抜けるとエレベーターホールへと向かう。ちょうど降りてきたばかりのそれに乗り込むと最上階の九階のボタンを押した。

私だけを乗せたエレベーターは静かに上昇していきあっという間に九階へと辿り着く。そのフロアの角部屋が御子柴さんの家だ。

御子紫さんから昨日貰ったばかりのカギを使って玄関の扉を開ける。
< 85 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop