空白は薔薇で埋めて
いつもより長く感じた授業がやっと終わり、航平がいるはずの教室に向かう。航平は理系の学部の1年だから、1階に教室が集中しているらしい。教室に着くと、航平はちょうど教室から出るところだった。
「航平!」
私が呼び止める前に教室から航平が呼ばれる。
「ねーぇ、今週もこれる?」
教室から出てきた女性が航平の手を取りながらそう問い掛ける。横顔しか見えないからわかりにくいけど、あの人は・・・
「あーわり。さすがにそろそろ怪しまれるだろうし、今週会う約束になったんだ。俺が言い出したのに悪ぃな。」
「いやいやー。彼女、大事にしなきゃだもんね?」
そんな会話をしながら歩いていく2人。未だに組まれた手。私はその場から逃げるように走った。
「航平!」
私が呼び止める前に教室から航平が呼ばれる。
「ねーぇ、今週もこれる?」
教室から出てきた女性が航平の手を取りながらそう問い掛ける。横顔しか見えないからわかりにくいけど、あの人は・・・
「あーわり。さすがにそろそろ怪しまれるだろうし、今週会う約束になったんだ。俺が言い出したのに悪ぃな。」
「いやいやー。彼女、大事にしなきゃだもんね?」
そんな会話をしながら歩いていく2人。未だに組まれた手。私はその場から逃げるように走った。