空白は薔薇で埋めて
別れた後も、一輪挿しに刺した薔薇を捨てられずにいる。
(自分から振っておいて、諦め悪いな。)
嫌いになった訳じゃない。むしろ好き。でも、もう無理だ。悶々とした思考を解消しようと、私は家を出た。
ついたのは、家の近所にある花屋さん。あの一輪挿しの花をどうしても変えたかったから、というわけではなく、ただ単に花が好きだからだ。特に薔薇はとても綺麗で、私の一番好きな花だ。
そこそこ広い店舗を見て回っていると、まばらだった足音の1つがこちらに向かってきた。その方向を振り返り、私はその場から動けなくなった。
航平がこちらに向かって歩いてきていた。
(自分から振っておいて、諦め悪いな。)
嫌いになった訳じゃない。むしろ好き。でも、もう無理だ。悶々とした思考を解消しようと、私は家を出た。
ついたのは、家の近所にある花屋さん。あの一輪挿しの花をどうしても変えたかったから、というわけではなく、ただ単に花が好きだからだ。特に薔薇はとても綺麗で、私の一番好きな花だ。
そこそこ広い店舗を見て回っていると、まばらだった足音の1つがこちらに向かってきた。その方向を振り返り、私はその場から動けなくなった。
航平がこちらに向かって歩いてきていた。