🍓夫の溺愛(大学教授の場合。)
「もういいよ。
ここにあんまり長くいちゃ
だめだよ。
破談になったらどうするの?」


 「は?なにいってるの?」

「な‥にって、
お見合いしたんでしょ。
 おめでとう。」


   「は?!」

「は?って。綺麗な人じゃん‥
 鼻延びてたし‥」

 美奈を抱きしめて二回戦!

 「ま、またぁ!! 」


「俺は美奈だけだから‥
 オレの気持ちが分かるまで
ヤル。

 美奈を犯してまで自分に引き止め
たかった
 俺は美奈だけ。
 俺の決心を甘く見るなよ!!。」

       「ヒエエ…。」

 一朗太は、ズボンのポケットを
まさぐりながら一枚の紙を美奈に
握らせ た。


 「近いうちに書いといて
  今度は一緒に出しにいこうか
♡!」
バタバタと抵抗していたが
また簡単に美奈は落ちてしまった。

「なんてこった。」
彼を愛している間は拒否反応
は口だけで
心は彼の元へと、走りだす。
だらしない わ!た!く!し!




美奈も、ゴソゴソと包みをだして
「おめでとう。」

ブレスレットを手渡した。
意外な展開に一郎太はビックリ
めちゃくちゃ嬉しそうな
顔をして大喜び

「おーおっ、有り難う。」

 袋をバリバリと、破り捨てると
 一朗太は、飛び上がって
喜んだ。
 フフッ子供みたい。
(三千七百円だけどねテヘ)

「いこうか?」

部屋を出て、スーパーへ

キラキラ光る彼の手首に手を
握られ歩く…
安物なブレスレットを大事そうに
はめてくれる。
一朗太は、ニッコリしながら
美奈をみつめた。

「今日は色々あって
疲れちゃったしお腹も空いたな。
なに食べたい?」

 「いっぱーい食べたい!!」

美奈は凄く久し振りに
幸せを感じていた。

「一朗太お願い。
 女の人と、二人で逢うのは
止めて、
 お願い。」

リナが彼にお願いテクを
伝授してくれた。
半分顔を上げて目はクリクリ
口を少しすぼめて小さい声で、
でもシッカリ伝えるため
腕を揺する。


リナから習った通りに
やってみる。

背の高い一郎太は美奈を見下げ
メガネをクイッと上げて

 「うん、分かった。
  嫌な思いさせた、ごめんな!」

一朗太は、こたえるように、
手を強くにぎって微笑んだ。
  (先ずは上手く
行ったんじゃー!!)
美奈もニンマリと笑った。


「じゃあラーメン、焼き飯、
ギョーザ唐揚げ…
ヤッパリ、サラダは
 食べた~い。」

「よーし。味道楽にいくか?」

  「ウンウンいくいく。」

真っ黒いスープに大きめの
チャーシューネギがドンとのった
豚骨味。

焦がしにんにくがドバドバ入った
縮れ麺、味ノリがぷ~んと
磯の香りを乗せてくる。

卵もいい具合に味がついて
食欲全回。

大将が作ったパラパラ焼き飯
ご飯一粒一粒存在感がある。

「ん~ん美味しい!!」

「はい、おまち~」
元気バリバリの大将がギョーザを
ポンと置く。
にらタップリの店自慢
のギョーザ
ピーク時には売り切れてない日も
ある。



「いっちゃん、今日は朝まで頑張
るんダロ。シッカリ食いなよ。」


大将は50半ば、先生とは凄く
仲がいい。
「もう、すませたばかりだよ。」


ニヤニヤしながら答える彼に
大将は
「なんだ、昼間っから
俺たちが仕事してる時に
お楽しみか!!」
アハハと笑う。


美奈も少し恥ずかしくなって
腕でクイクイとツツク



「後、裏メニューの
モリモリ野菜!
 をお願いします。」


大将自慢の玉ねぎベースの
ドレッシングはリンゴの味も微
かにして、サニーレタスにトマト、
茹でた人参や
ワサヒ菜などなど15種類の
野菜の入ったサラダだった。

  「ウワァおーいしーい。」


「レシピは、いっちゃんに教えて
あるから
 作ってもらいなよ。」


そう一朗太は、最初大将が店を
出した時偶然、店に入り、閉めよう
かという話を聞いてしまった。


あまりに美味しいから

店をたたむのを止めろと説得
をして、300万援助していた。


そのお礼に
今は飛ぶ勢いの裏メニュー
を彼にだけ教えたそうだ。


余裕が出来て
お金を返すと大将がいえば
サラダのレシピを300万で買ったと
言い張り受け取らないらしい…。


今は人気店に跳ね上がり
列ばないと座れない。
閉めないで良かったと今は
笑い話になっている。


大将と一郎太の意外な繋がり
を知ってしまった。
一郎太はやっぱり情の深い
優しい男だった。

人の事を放って置けない。
それが裏目に出る事もある
恵さんの時も
お見合いの時も
断れないのはヤッパリ・・・






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