🍓夫の溺愛(大学教授の場合。)

花嫁修行?



「奥様、奥様。これは何でしょう。?」

キッチンバサミのギザギザしたのを
見ながら、さも不思議そうにして
いたので美奈が説明する。

「キッチンバサミですけど、これは
ぎざぎざが、3列あるでしょっ
一回チョッキンすると三回分ですよ。
サラダ作るとき超ラクチンですよ。」
 エヘヘ

  「まあ、便利ね。」

義母も家政婦の喜代さんも目を
丸くして驚いた。

これは?
「みじん切り器タマネギ入れて
この紐をひくとーーっ‼
ほら〜あっという間に
みじん切りで〜すっ。」

「まあ〜すごいわね。」
「でしょっ♪。」

「これは?」

 「リンゴ切り器、あっと言う間に
     八等分。」

「まったく、奥様これでは、
先が思いやられます。」

あきれた顔で喜代さんは、

「まったく、奥様これでは包丁
いりません。
 百武家の恥です。
 包丁もつかえないとは‥。」

奥様(のちの義母)は、
「キャベツの千切りもそれでやるの?」

「ヤダァキヤハハ一朗太がしますよー
 コレは、私が指きらないようにって
 一朗太が通販で買ったんです。
 たまに料理するんで!
千切りはスライサーって
便利グッズがありますよー」


「な、なにを作るの?」

このセットで何を作るか
知りたかったのだろうか?

「え、作る料理?
 野菜サラダ! あと、
フルーツサラダ
 ん?野菜いため?
 あと、何だっけ?
 あとぉ、ウインナー焼く。
           ニッコリ
 あ!!そうそう、最悪、人差し指と、
レンジさえあればぁ令和いけ
ますって!!

冷食も、進化してて、らくち~ン。

 今24時間営業の店もあるし、
 ファミレスの宅配もあるし、
 料理はしたい人がすればいいって
 彼も言ってますよー。」



(๑¯ỏ¯๑) ‎( ꒪⌓꒪Ⅲ)
二人は見つめ合い…

…見つめ合い…口がДポカーン
とあいてしばし放心状態。

美奈がチョキチョキ、チョキチョキ
二人の目の前で更にチョキチョキ。
その音で二人我にかえる。

「ン、ンンッ、美奈様!あなたは
百武家の
 跡取りの嫁ですよ。

 お坊ちゃまは領家の良くできた
 お嬢様を差し置いて
 美奈様とのご結婚を
決められたので
 ござあます。

 ぼっちゃまに千切り
させるなんて…。」

「やだぁ、
一朗太料理プロなみですよ。
 すごーく美味しいんですからぁ。」

美奈はニコニコして言った。

「ま、まさかと思うけど‥
 一朗太がご飯作ってるの?」


「でーす。どこの彼氏も
やってますよ。
 ヤダァ昭和中期的な明治のなごり?
 男子厨房に入らずは昔昔の昔話
ですってーキヤハハふるー。」

 奥様は目を皿にして今にも泡吹
きそうだった。


マアアアアッ
「ととと、兎に角、喜代が
躾直します。
 これじゃ恥ずかしくて
 人前には出せませーん。
 奥様、
 わたくし、金曜日、土曜日通い
ますので了承してくださいっ!!。」


喜代さんの本気は、鼻息がフンフン
出るほど、いきまいていた。

後の義母は、結い上げた髪が揺れる程
ウンウンと頷いた。

口に出せないほどの怒りが
ピシピシ伝わってくる。
     ヒエー






 
 











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