卒業します
「かなちゃん、あそびましょ~う。」

斜め前の家に住む、谷川誠次君は

4つ上のお兄ちゃん。

谷川家の次男で、近所のガキ大将。

私は………

自分で言うのもなんだけど…………。

この町の議員をしていたお爺ちゃんと、会社経営をしているお父さんの

一人娘として育った由緒正しいお嬢様。

学校に行くのも車なら

通う学校もミッション系の私立のお嬢様学校。

ふだんは、彼とは関わり合うことすらない私だけど。

母親同士が同郷の幼馴染みという事もあり

小さい頃から、お互いの家を行き来して育った。

門を出て、ホンの数十メートルの距離なのに

生まれた環境も、育った家庭も……

全く別のものでした。
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