卒業します
「こっちにどうぞ。」

入室して直ぐに促されたのは、ふかふかのお布団が敷いてあるベット。

誠ちゃんによると、保健室のベットのお布団は

固くて冷たいらしいけど

ウチの学校のお布団は、羽毛を使ってふかふかなの。

「もう、元気ですよ。」

一応反抗してみたけれど……………

ご迷惑をおかけしたと思うと、強くは言えない。

室内履きのシューズと制服の上衣を脱ぐと………………お布団に入る。

「熱を見せてね。」

体温計を渡されて、数日前と同じ行動。

違うのは、春人さんのお宅から学校の保健室になったことだけ。

ピッピッと鳴って取り出すと

37.0℃と微妙な体温。

「やっぱり、もう少し休んでいようね。」

「……………………はい。」

この熱は、絶対風邪じゃないよ……………。

ブツブツ言いながら、お布団を頭から被っていると。

「驚いた?」と、嬉しそうな春人さんの声。

えぇ、えぇ。

そりゃあ、とっても驚きました。

「私を拾った時には、もちろん決まっていたんですよね?
………………………………意地悪です。」

恨めしく呟くと、楽しそうな笑い声が。

この間のイメージだと、もう少し大人の男の人だったんだけどなぁ。

お布団から少しだけ顔を出して覗くと

以外に近くにいた春人さんと目が合った。

……………………びっくりした!!
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