卒業します
「かな、聞いてる?
お前、ヤバイって。
毎日掛け持ちで習い事して
家庭教師が毎日やって来る小学五年生って………異常だからな!
嫌なら俺に言え!
いつでも連れ出してやるから。」

おませな私は、小学1年生で名作童話集を読破して

五年生の今では、シェイクスピアをこよなく愛している。

そんな私だから、お兄ちゃんの言葉は『駆け落ちしよう!』と

愛の台詞にしか聞こえなかったの。

『お兄ちゃんも、私を愛している!!』

恋は盲目というけれど

そう思い込むと、そうとしか思えなくなって

私はお兄ちゃんのお嫁さんになると、疑うことなく思っていた。

ただ、その為には…………

私は今以上に頑張って

駆け落ちではなく、みんなに祝福されて結婚したいと思うようになったの。

お父さんの後を継いで、社長になってお兄ちゃんを幸せにする!と。
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