卒業します
「あれっ?何かあった??」

口数の減った私と春人さんに、驚く桜。

「あっちもこっちも花盛りかぁ
羨まし!!
後藤君、私と楽しもうね!」

玲奈は一人ブツブツ言いながら後藤君の手を引いて歩き出す。

「ホントに大丈夫なんだね?」

私の体調をもう一度確認して、手を引いて歩き出す春人さん。

だから………

手はダメだって。

赤い顔のまま手を離して「桜、行こう!」と

桜の手を取って歩き始める。

「うっ…………うん。」

私と春人さんを見比べて………山木先生に助けを求めてる。

「春人は大丈夫だよ。
気にせず、桜ちゃんは二人で歩いたら良いよ。」

山木先生の言葉に安心して、私の横を歩く桜。

山木先生の『桜ちゃん』が、自然で優しくて…………

ちょっと羨ましくなる。

春人さんも『夏苗ちゃん』って呼んでくれる時

こんな感じなのかなぁ?

そうだったら良いなぁって思いながら、前に進む。
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