卒業します
「そっちにお邪魔して良い?」

メールを寄越した桜と玲奈。

「もちろん!」

お菓子を片手にやってきた二人。

ダブルのベットに3人で入り、お布団を被って女子会。

別にソファーでも良いんだけど……

この方が、内緒話しっぽいからね。

女子会と言えば、恋ばな!!

仲良し3人でしたかったのに………

中々チャンスもないまま、春には3年生になるって思ってたの。

「ねぇ、ねぇ。」

早速玲奈が桜に話しかける。

「亨ちゃん、桜に優しいよね。」

「もう!亨ちゃんはダメだって~!
山木先生は私よりも夏苗ちゃんに優しいよ。」

「それは女の子としてじゃなくて、友達の彼女だからだよ!」

「誰が友達の彼女なの?」

「夏苗に決まってるじゃん!
春人さんと付き合うことにした??」

「何言ってるの!!
そんな訳ないでしょう!」

「えっ!?どうして??
だって、好きだよね?春人さんの事。」

えっ?!

私って………春人さんの事好きなの???

驚く私に桜まで

「えっ!夏苗ちゃんって……
まだ自覚なかったの??
私はてっきり付き合うことをみんなに知られるのが恥ずかしくて
手を離したのかと思ったのに。」

「鈍すぎだよ!
せっかく自由に恋愛出来るんだから
好きなら好きって気持ちを大切にしないと!!」

「そう言う玲奈はどうなの?
後藤君と仲良さそうだったじゃない。」

「好きって言われたよ。」

「「えぇっ!!!!
だったら、付き合うの???」」

「う~ん。
付き合うって言うかぁ~
遊びに行ったりはするかもね!」

「もう~
実は玲奈が話したかったんじゃない!
聞いてあげるよ!玲奈も好きなんでしょ?」

からかいながら、聞くよって気持ちで玲奈を冷やかしたら……

「好きって言うか…………良い友達かなぁ?
ボーイフレンドならいいよって答えた。
私、フィアンセが決まってるから……
真剣なお付き合いは出来ないんだ。」

「えぇっ!!
玲奈ちゃんって、フィアンセが決まってるの??」

私達の中には、フィアンセが決まってる人も沢山いるの。

玲奈が決まっていても不思議ではないけど………

「どんな人なの??」

昔程ムチャは言わなくなったから

あまり意にそぐわない人がなることはないけど………。

自由に恋愛することは難しい。

「今、小学校の5年生だから………11歳かなぁ?」

「はぁっ?!年下ぁ!!」

「それも…………小学生って。」

「まぁ、彼が二十歳になる頃には五歳下くらいだから
恋愛出来るかな?」って。

それで…………自由に恋愛出来るんだから………………なんだね。

玲奈の言葉の重みが分かった。
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