卒業します
今日も遅くまで塾に通い、車から下りたとき

ヘッドライトに映る男女の抱きあう姿。

男の人の後ろ姿が気になったけど

あえて見ないでスルーした。

それなのに……………

女の人と別れた彼は、傘をさす私の元へ近づいて

「おかえり、かな。」と

以前と変わらない呼び方で、私に声をかける。

どうして?

ホントにお兄ちゃん??

かなって……………私?

現実を直視出来ない私に

「こんな時間まで頑張ってたのか?
お前、ホントに死ぬよ。」と

同じ台詞を投げかけた。

ただそこには…………

以前のような、労りや愛情はなく

呆れの交じった冷たい言葉。
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