卒業します
今分かることは、それだけで良いのかもしれない。

私自身、自分の気持ちに向き合う勇気がないのに……

春人さんの気持ちにまで向き合ってはいけないと思う。

今は、優しいお兄ちゃんが

現実を受け止めれないと心配して、旅行を計画してくれた。

それだけで良い。

「春人さん……………お兄ちゃん。
私を傷つけないように、考えてくれてありがとう。
誠ちゃんのこと…………
直ぐに全てを受け止めるのは、ちょっと大変だけど
たぶん、時間が経てば大丈夫な気がするの。
だって、優しいお兄ちゃんがずっと側にいて
支えてくれるんだもんね。
さっき泣かなかったのは、別に無理してじゃないよ。
悲しいよりも、悔しかったからだもん!
みんながウソついて騙してた!って。
たぶん、パパやママやお爺ちゃんもグルでしょ?
だって今、連絡してないのに……
誰も携帯に電話もメールもしてこないもん。
でも……
私、みんなに愛されてるんだよね。
だからいいの。
みんなまとめて許しちゃう!
こう思えたから……………
春人さん、ありがとうなの。」

これだけ話したら

「アハハハ。
夏苗ちゃんには、敵わないよ!
全部お見通しだ。
おまけに、さすが次期社長さんだけあって
頭がキレる!!
お見逸れしました。」って。
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