夏の終わりとアキノソラ
おばあちゃんの家からの帰り道。


私の足は自然とふくすけへ向かっていた。


「いらっしゃい、」
いつものように大将が笑顔で出迎えてくれる。


「どーも」
私もいつものように返事をする。






そしていつものように、いつもの席に座ろうとしたとき






そこには先客がいることに気がついた。




「あー汐ちゃん、悪いねぇ。あの席今日はあいてねーんだ。」

「別に。こっちで大丈夫。」

私は入口に一番近いカウンター席に座った。


私のいつもの席には綺麗な女の人が一人で座っていた。今まで私が店に来た日にあの席があいていなかったことはない。


なんとなく落ち着かない気持ちで、私はビールを注文した。



今日もカズは奥で調理しているようだったが、この席からその姿は見えなかった。



「すみません」
綺麗な女の人が大将を呼んだ。


カウンター席に座っているのは私たちだけなので、相手の様子もよくみえてしまう。


「カズさん、よんでもらえますか?」
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