夏の終わりとアキノソラ
「はいよ、おいっカズ、お客さんが呼んでらー」


「へー」


奥からカズがのっそりとでてきた。でてきた瞬間私と目があったような気がしたけれど、相手はすぐに逸らして女の人のほうをみた


「毎度。どーも」


「また来ちゃいました。」


声のトーンが上がった女の人の声を聞いた時、扉がガラッとあいて、会社帰りであろうおじさん集団がガヤガヤと入って来た。


幸か不幸かその集団が真ん中のカウンター席を陣取り、それ以降2人の会話が私の耳に届くことはなかった。



チラッとみると、楽しそうに微笑むカズの横顔がみえる。


カズの好きな人はあの人かもしれない。別に、私には関係ないんだけど。
ってかサボってないでちゃんと仕事しないと、大将が可哀相だよ。

そんなことばかりが、頭をよぎってしまう。



私は気にしないようにするためにひたすら注文し続けた。
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