夏の終わりとアキノソラ
「部屋、どこ?」


「…あっち」


カズが指した扉をあけて、一気にベッドへ寝かせた。

はぁ。今日はなんだか色々なことがあったな。ふとカズをみると、もう眠っているようだった。


ようやく一段落したので、ベッドサイドに腰掛け、あたりを見渡す。


カズらしい殺風景な部屋だった。


カズの寝顔なんて、初めて見た。眠っているときは、私よりずっと幼く見えてなんだか可愛い。


私は思わず手をのばし、柔らかそうなカズの髪に触れた。でも、それがいけなかった。
触れたあとに、どれだけ自分がカズを想っていたのか、気がつかないようにしていた気持ちを思い知ったように心が痛み、すごく後悔した。


やばい。苦しい。
もう、泣く。


そう思ったときには遅かった。涙が私の頬を伝う感触がした。


もうここへはいられない。カズには深雪さんがいる。素直になれない私は、カズをひどく傷つけた。

昼間のカズの表情を思うと心が裂けそうだった。
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