夏の終わりとアキノソラ
「大将!」

「おお、汐ちゃん、悪かったなぁ、面倒かけて。」


下へおりるともう片付けはほぼ終わっていた。


「いや、大丈夫!なんとかなってよかったよ。カズも帰ってきたし。」


「ありがとなぁ。迷惑ついでにもう一つ頼みたいんだけどよ、俺はこのまま市場まで行かなきゃなんねぇんだ。遠いからそっちで休んで仕込みの時間まで戻らねぇつもりだから、もう少しここにいてくれねぇか。留守あずかってくれりゃ、好きにしてて構わねぇよ。」

カズとのこともあったから少し迷ったけれど、まあいっか。今日も休みだし。
と思い、私は笑顔で頷いた。


「バイト代はきちんと払うからな。」

出掛け際に大将は笑顔でそういって、車に乗り込んだ。


「そんなの気にしなくていいよ、気をつけて。いってらっしゃい。」


私が手をふると車はすぐに走りだし、角をまがってみえなくなった。



私も久しぶりの肉体労働で疲れたのか、大将を見送って奥の居間らしい部屋にもどると自然と瞼をとじていた。
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