夏の終わりとアキノソラ
今までもカズはそっけない態度だったけれど、それでも冷たいと感じたことはなかった。そこには愛情があったからだと、今頃になって気付く。


終わりだ。
これで本当に。


昨日決めたじゃない。

朝になってカズが昨日のこと忘れてたらもう諦めるって。


自分がいけないことはわかってる。カズを傷つけたことも、取りかえしのつかないことを言ってしまったことも、わかってるけど、



でも…でもっ、



本当は期待してたんだ。



心のどこかでは、

朝になって、カズの酔いが覚めても、昨日の夢のような出来事や、言ってくれた言葉はきっと覚えていてくれてる。

またきっと変わらない強さで抱きしめてくれる


そう、信じてた




私って、どこまで自分勝手な女なんだろう。

ごめんね、カズ

私にはカズの前で泣く資格なんかない。
でも、涙はとまらなかった
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