夏の終わりとアキノソラ
「はぁ…」
めんどくさそうな、大きなため息、きまずい沈黙。
泣きすぎてうまくしゃべれなかったけど、私はなんとか『帰る』という3文字を絞り出して立ち上がった。
部屋をでて玄関で靴を履いてドアに手をかけた時だった。
「待て、」
痛いくらいの強さで、左手を掴まれる。
昨日の優しい腕とは違い、冷たく刺さるような声と温度に一瞬身じろぎし、素直にこわいと思った。
「なんで泣くんだよ、お前が。」
何も言えない。私に泣く資格がないことは、十分わかっている。
私は言葉がみつからず、黙ってしまった。
「何も言わねぇんだな。」
カズが腕をつかんだまま、ゆっくりとその場に腰をおろす。
もう、怒ってはいないようだった。
めんどくさそうな、大きなため息、きまずい沈黙。
泣きすぎてうまくしゃべれなかったけど、私はなんとか『帰る』という3文字を絞り出して立ち上がった。
部屋をでて玄関で靴を履いてドアに手をかけた時だった。
「待て、」
痛いくらいの強さで、左手を掴まれる。
昨日の優しい腕とは違い、冷たく刺さるような声と温度に一瞬身じろぎし、素直にこわいと思った。
「なんで泣くんだよ、お前が。」
何も言えない。私に泣く資格がないことは、十分わかっている。
私は言葉がみつからず、黙ってしまった。
「何も言わねぇんだな。」
カズが腕をつかんだまま、ゆっくりとその場に腰をおろす。
もう、怒ってはいないようだった。