夏の終わりとアキノソラ
「・・ふーん。なんか意外。そういうの興味ないのかと思ってた。」

結局、うまい返事がみつからなかった私は率直な感想を述べるしかなく、そういうと

「ああ。そいつ意外の女は興味ねぇからな。」

という、またしても予想外の返事が返って来た。

どんな子なのだろうか?
すごく気になったけれど、意外な返事に動揺したのか、私の心臓が少し落ち着かないようだったのでそれ以上はきかないことにした。


「じゃぁ、ここで。送ってくれてありがとう。」


「おう、気ぃつけて帰れ。」


そのあとはお互い特に会話をすることもなく駅まで歩き、着いたところで私がお礼を言った。


カズがそう返事をすると、私は改札に入った振りをして、そっと振り返った。

お互いおしゃべりなほうじゃないから会話がないことなどよくあることなのだが、今日の沈黙はいつもと少し違っていた。

カズが帰って行く後ろ姿をみながら、私は心臓の違和感について考えていた。
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