夏の終わりとアキノソラ
ジリリリリリ―――――――――


午前4時30分。

仕事がある日の私の1日が始まる時間だ。
アルバイトの日は週に4回。朝の6時から昼の15時まで。まぁ残業が無ければの話なんだけど・・・
私の仕事は、毎日違う家へ派遣されて、その家庭のお食事の準備をする、というもので、まぁいわゆる、お食事専門の家政婦みたいなものだ。


15時で遅番の人と交代することもあるし、1時間だけ残業して、私が夕飯まで作ってしまうこともある。


私が働く会社を利用する人の目的は様々で、忙しくて食事の支度ができない母親が利用したり、母子家庭や父子家庭、育児、産休などを理由に利用したりもする。更にお年寄りの一人暮らしで、話し相手に呼ばれたこともあった。


最初はなんとなく始めた仕事だったけれどこれが意外と楽しくて、今では多少やりがいを感じていたりもする。


いつもと同じように手早く支度を済ませた私は、まだ暗い空をみあげながら、今日の職場へとむかった。
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