夏の終わりとアキノソラ
今日の勤め先は、前に話し相手に私を呼んだおばあちゃんのお家だった。
どうやらまた私を指名してくれたらしい。
行ったことのある家はこちらとしても使い勝手や受け答えがわかりやすいから、安心して働けるのでとても嬉しい。それに、おばあちゃんがすごく親しみやすいので、今日はすごく良い一日になりそうだな、と思った。

ピンポーン

「入りなさい。」

「おはようございます」


ドアをあけると、おばあちゃんが笑顔で玄関まで出迎えてくれていた。

「いらっしゃい、よくきたねぇ。」


「今日もよろしくお願いします。」



早速二人で台所に立ち、朝食の準備をする。今日のメニューは、どうやら里芋のつや煮とだし巻き卵らしい。前に来たときもだし巻き卵はメニューに入っていて、おばあちゃんの味付けは本当に頬っぺたが落ちそうなくらい美味しかったので、私はとてもうれしくなった。


ここでの仕事は、基本的にはおばあちゃんのお話に付き合うことなので、料理は本当にサポート程度で良いのだということを、私は前回の教訓で心得ていた。
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表紙・目次

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