夏の終わりとアキノソラ
「汐ちゃんがまたきてくれて嬉しいわぁ。あれから彼とはどうなのかしら?」


「別れたよ、昨日。」


「あらまぁ。どうして?」

「他に気になる人ができたんだけど、私のことも好きだ、とかわけわかんないこと言ってるから、自分で別れようって言っちゃった。」

苦笑いしながらおばあちゃんをみたら、「若いって良いわねぇ、」 と言って微笑んでいた。


若いかぁ…

私は、ほのぼのと幸せそうに仲睦まじく暮らしてるおばあちゃん達のほうが羨ましいけどな。

おばあちゃん達の愛は永遠だったのかな。だから今もずっと幸せそうなのかな。

「さぁ、食べましょうか。」

「うん。」

私はおばあちゃんに言われた通り席についた。おばあちゃんはすごく可愛い。おじいちゃんは、近くの病院に入院しているのだと、この前来たときに話してくれた。少し淋しそうだけれど、それでもほぼ毎日会いに行っているらしい。

今もおじいちゃんのことをすごく大切に思っているのが伝わってくる。

「私は、おばあちゃんが羨ましいよ。」


「あらあら、何を言っているのかしらねぇ、」


ニコニコとおばあちゃんがこちらをみている。

「本当だよ、私もおばあちゃんとおじいちゃんみたいになりたいよ。私だけの愛がほしいよ。」


「まぁ。」
おばあちゃんは目を細めて微笑んだ。
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