dog life
「えっ…」

意外な過去に和は驚いた。

「私は長時間勤務に耐えられなくて、心も体もボロボロになって、死のうと思ったんだ。それで電車に飛び込み自殺をしようとして、そこで典子さんに助けられて、スタッフとして雇ってもらったんだ」

和の方を向き、あかりは笑う。

「だから、今すごく幸せなの!ここで働けてよかったっていつも思ってる!」

和も笑った。

「僕も、幸せです!」

ゴールデンが二頭和たちに近づき、ペロリと二人の頰を撫でる。

「くすぐったい!」

あかりが笑いながら言う。和もとても癒された。



和が宮田のおうちで働き始めて一週間が経った。犬の散歩やケージの掃除、ご飯をあげたりブラッシングをしたりと大忙しだが、和はブラック企業にいた時のようにつらいとは思わなかった。

しかし、自分の部屋に戻ると福が何かしらのいたずらをしていることに和は頭を悩ませている。今日も家に帰ると、机の上に置いてあったティッシュが部屋中に散らかされていた。

「福!!…はあ、どうしたらいいんだろう…」
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