dog life
「いい?開けるよ」
典子が厳重な扉をゆっくりと開ける。
犬の繁殖場なので、ここにも犬がいるということは和も想像していた。たしかに犬はいたが、さっきと全く違うことに和はすぐに気づいた。
犬種がバラバラの犬たちが、ケージの中から鳴いている。それは、和たちを歓迎するようなものではなく、むしろ怯えたり拒絶したりする声だった。
「ここって……」
やっと声を出せた和が典子を見つめる。典子は悲しそうな顔のまま、口を開いた。
「人間の身勝手な理由で行き場を失った犬たちよ。宮田のおうちは行き場を失った子たちを引き取って、新しい飼い主さんに出会わせてあげるようにする活動もしているの」
「行き場を……失った……?」
悲しげな目を向ける犬たちを見ながら、和は震えた声で聞き返す。聞きたくないという気持ちがあったが、聞かなければならないという思いの方が強かった。
あかりが一番近くにあるケージにいる震えたパピヨンを指差した。
「この子はマリ。飼い主はこの子を、「手術が必要な病気になったから」という理由で捨てたの。もちろん、ちゃんと手術はこちらでしたわ!」
典子が牙をむき出し、威嚇をし続けるコリーを指差して言う。
「この子はラッキー。この子の飼い主は、「大人になったら飽きた」という理由でこの子を捨てた。しかも、虐待をされていたみたいでここに来てもう四年経つけどまだ保護した時と変わらない」
典子が厳重な扉をゆっくりと開ける。
犬の繁殖場なので、ここにも犬がいるということは和も想像していた。たしかに犬はいたが、さっきと全く違うことに和はすぐに気づいた。
犬種がバラバラの犬たちが、ケージの中から鳴いている。それは、和たちを歓迎するようなものではなく、むしろ怯えたり拒絶したりする声だった。
「ここって……」
やっと声を出せた和が典子を見つめる。典子は悲しそうな顔のまま、口を開いた。
「人間の身勝手な理由で行き場を失った犬たちよ。宮田のおうちは行き場を失った子たちを引き取って、新しい飼い主さんに出会わせてあげるようにする活動もしているの」
「行き場を……失った……?」
悲しげな目を向ける犬たちを見ながら、和は震えた声で聞き返す。聞きたくないという気持ちがあったが、聞かなければならないという思いの方が強かった。
あかりが一番近くにあるケージにいる震えたパピヨンを指差した。
「この子はマリ。飼い主はこの子を、「手術が必要な病気になったから」という理由で捨てたの。もちろん、ちゃんと手術はこちらでしたわ!」
典子が牙をむき出し、威嚇をし続けるコリーを指差して言う。
「この子はラッキー。この子の飼い主は、「大人になったら飽きた」という理由でこの子を捨てた。しかも、虐待をされていたみたいでここに来てもう四年経つけどまだ保護した時と変わらない」