君からのヘッドフォン
「ついた」

「…ん」


あー、なにこれ、死ぬ。

可愛すぎてきつい。


意識してもらえてるかは不安だけど、こっちを向いてくれなかったときよりかはすごい進展だと思う。

いや、進展しすぎじゃない?

こんなことあっていいの?


止まった電車に反応して、のっそり立ち上がる栞帆。

俺もそれに続いて電車を降りた。


「…改札、どこ?」

「…うん、わかった、ちゃんとついてこいよ」


方向音痴なのか、ただ土地勘がないだけなのか。

…どうなんだ?


「ん…」


目を擦って、俺の後ろをスタスタ歩く。
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