君からのヘッドフォン
「1人じゃないんで。それに今が大ピンチです。私にとって。

キモいです。うざいです。心底消えて欲しいと思ってます。

それに、ナンパされて乗るほど男に飢えてないので」


そんな辛辣な言葉をつらつら並べる栞帆。

なんか、向こうが可哀想に見えてきた。


「…栞帆」

「あ、松下くん。どこ行ってたの。

私なんか変なの捕まったんだけど」


栞帆の冷めた言葉を聞いて、ナンパ男はしれっと退散した。


「…どっか行ったのは栞帆だろ。焦ったんだけど」

「そう?なんか気づいたら流されててさ。すごい混んでるわ」
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