君からのヘッドフォン
「そう?じゃあ、バドミントンよろしくね?」

「う、うん」


離れていく津田くんに少しだけ寂しく思う。

私たちのファーストコンタクトはこんな、普通のことだった。



私たちの関係が大きく変わったのは夏休みだった。


あの時、私はテニスの練習をしていた。

テニスコートがあるのは、学校からは近くないような校区の端っこに位置する住宅街の向こう側だった。

けどその日は、コートのフェンスの外を見慣れた男の人が歩いていて。
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