君からのヘッドフォン
No.15
私は手に持ったヘッドフォンの耳当ての部分を指でなぞる。
「ねぇ…松下くん」
私なんか、好きになっちゃダメなんだよ。
いつまでたっても過去に縋り付いて、離れられなくて。
忘れようとして、忘れられなくて。
思い出にしようとして、失敗して。
「お願いが…」
「…なぁ、栞帆」
お願いがあるの、そう言おうとした時、松下くんは私の言葉を遮った。
「利用しろよ、俺のこと」
「え…」
「栞帆がいつまでたっても、あいつのこと忘れられなくて、それでも忘れたいっていうなら、俺のこと利用して?」
「ねぇ…松下くん」
私なんか、好きになっちゃダメなんだよ。
いつまでたっても過去に縋り付いて、離れられなくて。
忘れようとして、忘れられなくて。
思い出にしようとして、失敗して。
「お願いが…」
「…なぁ、栞帆」
お願いがあるの、そう言おうとした時、松下くんは私の言葉を遮った。
「利用しろよ、俺のこと」
「え…」
「栞帆がいつまでたっても、あいつのこと忘れられなくて、それでも忘れたいっていうなら、俺のこと利用して?」