君からのヘッドフォン
両耳に聞こえるのは、優しくて爽やかでいて、どこか甘い男の人の声。

砂原くゆり。それが彼の名前。

私が推してやまない、
推しても押し切れない声優様。


私はいわゆる声優オタクという部類になる。

くゆりさんだけを推し続けてもう5年になるのか、時間が過ぎるのは早い。

私がこの人を推し始めた経緯は…長くなりそうだからやめとこう。

私はこの人以外に興味がない。

否、この人と、友達と。


階段を降りて、自分の教室へ向かう。

少し伸びてきた髪を揺らして、小走りで。

この学校にいる唯一の友達の元へと戻る。
< 2 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop