君からのヘッドフォン
「ふーん」


あー、松下くん後ろは押してないのか?

このあと部活あったら、頼るべきではないよね。

なんで、頭回らなかったんだろ。


「松下くん部活は?」

「え…帰宅部だけど」

「そ、ならよかった」


後ろ押してないなら、全力で頼らせてもらう。

早く家に帰りたい。


「…なぁ深井」

「何」


流れる沈黙をヘッドフォンから漏れ出る音がかき消す。

手を動かしてくれる松下くんはどうやら悩んでいるらしい。




「…好きな人、いる?」
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