君からのヘッドフォン
後ろを歩いてるからよくわかんないけど、なんか嬉しそうな声ではある。

私はそのまま一度教室に帰ってお弁当を取りに行って、その流れで屋上へ向かった。

松下くんは購買によってからくるらしい。



ヘッドフォンをつけたまま、重い扉を押す。

ギギギッと錆びついた音を響かせると、淡く、風が抜ける。



誰も、いない。

私はフェンスにもたれかかって、松下くんを待つ。


耳にはこの間買ったDVDボックスの購入特典である、ラジオCDが流れる。

素敵な、声。
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