君からのヘッドフォン
どうしてこの人にこんなに執着してるのかは全然わかんないけど…なんだか、楽になれる。


ヘッドフォンの向こうからキィっと高い音が響いた。

扉が開いて、松下くんが現れる。

私はヘッドフォンを外した。


「…待たせた」

「いいけど」


女の子はこいつをクールって騒いでるけど、そうでもない気がする。

無口かって言ったらそうでもないし。


私は無言でお弁当を広げる。

みっちゃんのいない昼休みはなんだか味気ない。

なんか、やだ。
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