君からのヘッドフォン
みっちゃんが弾いている曲は、有名なクラッシックだから私も何度か聞いたことはあるけど、一番最初はまだ上手だった。

でも、さっきから、鍵盤が半音ズレたりとか、間違えが目立つ。


「みっちゃん?休憩したらー?」

「んー、そうする。そろそろ手が痛くなってきた」


みっちゃんはそう言いながら長い指を揉む。


「そう言えば、栞帆ちゃんはピアノ弾けないの?」

「んー?弾けるわけないじゃん、うち母子家庭だからお金なくてさ」

「そうなの?でも、栞帆ちゃんほど頭良かったら独学でもできそうなもんだけどね?」
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