君からのヘッドフォン
外はジメジメしていて気分が悪い。

湿度が高いんだよ、異様に。

昨日雨が降ったから、足元が悪くて歩きづらいし、
石の階段を降りる足がなんとなく緊張している。


ここで滑ったら、引くほどだっさい。


なんて、勝手に自分の中でフラグを立てて。






…回収。


「わっ…」


自分の視界にさらりと髪の毛が入ってくる。

何やってんの、私。

ダサいにもほどがある。


「は?」


後ろから松下くんの焦ったような、は?という言葉と。

とっさに後ろからお腹あたりに回される右腕。
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