君からのヘッドフォン
装着したヘッドフォンからは音楽は流れていない。

…なんか、今はそう言う気分じゃないから。


あの日。

松下くんを無駄に意識してしまったあの日は、そのまま逃げてしまった。

あれから松下くんと一切話してない。

なんなら私から避けてる。

目の前に現れようもんなら、すぐに顔を背けて逃げた。

何避けてんだろ。別にいつも通りすればいいじゃんね。

…って、それができない理由はわかってる。

うん、わかってる。そんなの、簡単なことで。


私はあいつを─────、
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